第一弾 壮年性脱毛症に悩む全ての男性へ向けて…never give up
忘れもしませんよ…あれは2年前…
「知人」あれっ?
「私」 んっ?どうした?
「知人」いや…◯◯君ってこんな感じだった?
「私」 何が⁈
「知人」いや、頭のてっぺんが…
「私」 てっぺんが何⁈
「知人」なんか…スカスカ…
「私」 スカスカ⁉️
この日以来、今まで気にもしていなかった自分の頭頂部を気にする日々がスタートしたのである。
第一章 言われてみれば薄いような…
人から言われたことが初めてだった。
自分の体の中で、自分の背中と同じくらい見ない所だった事に初めて気付く。
薄毛を気にするなんて、今までの人生で初めての体験。
「まさか…俺が…」
私生活でも頭頂部を気にしてしまう
私は身長175cmあり、そうそう自分より背の高い人と話をする機会が無い。だから気が付かなかったのか⁈
私が座っているとき以外、私の頭頂部をチェックしてくれる存在がいなかったのだ。
なんてこった…こんな事になるとは
いや…、待てよ…本当に薄いのか?
まだ1人だけにしか言われてないじゃないか
それに自分の目で確かめたわけじゃない!
小学4年生の息子にスマホを渡し『お父さんの頭のてっぺんを撮ってくれ』とお願いして写真を撮ってもらった。
それがコチラ
ん〜薄いっちゃ〜薄い。
知人が言わんとしてる事もわからなくは無い…
まあ、薄いと自覚した以上、ほっとく訳にもいかない。このまま放置して良くなることは無いと本能でわかる。
さて…何をすればいいんだろう…。
第二章 頭皮が固い!
薄いと自覚したとは言え、薄毛に対し完全に降伏したわけでは無い
私の中の「髪の毛の薄い方」いわゆるバーコード系の方々を「100」とするならば、まだまだ私なんて、せいぜい「10」くらいではないかと思っている。
かなり強気な自己採点であったが、そんな事を知ってか知らずか「プロの方」から私に、間接的だが判決が下された。
私は床屋(理容)派だ。
美容院にも2回ほど行ったことがあるが、どうも居心地が悪く感じて落ち着かない。
男性で美容院に行く人はきっとナルシストだ、と自分の中で納得した答えを出している
私がよく行く床屋は「もみあげの切り具合が好き」という理由で通っている
説明しづらいが私の好きな「もみあげの形」にしてくれる。
私からオーダーした訳では無い、店主のセンスだ。私はそこが好きだ。
あと、会計後にジュースをくれる所も好き。
伸びた髪の毛が、耳に触るのが嫌いな私は、ついつい『金八先生』や『女の人がラーメン食べる時』的な仕草をしてしまう。
定期的に(2か月に1度)「もみあげの上手い床屋」へ行く
定期的なタイミングがやって来た
週末にアポ無しで飛び込んでも30分も待てば案内してもらえるので、いつも予約はしない。
待ち時間に一年中変わらないヘアカタログを見るのを楽しみにしている。
10分もしないうちに、店主の奥さんに案内されイスに座る
タオルを首に巻かれ、全身を覆う「前かけ」的なものをつけられて「苦しくない?」の決めゼリフのあと、乱暴にイスの高さを変えられた
奥さんの出番はここまで。
『店舗』兼『家』の造りなので、シャンプーまでの時間を奥さんは『家』の中で過ごす
奥さんとバトンタッチで店主登場。私の両肩に手を置き前方の鏡で目が合う
「店主」 どうする?
「私」 全体的に短めで…
「店主」 ……は…ぃ。
聞こえるか聞こえないかのサイレントウィスパーな店主の返事…
少しうつむいた店主が腰に付けたバッグからハサミを取り出す
襟足の方からシャンシャンと心地よいリズムでカットされていく
私はカットされている間は目を閉じる派だ
ハサミが奏でる心地よいサウンドを目を閉じて聞いていると…
……ハサミが止まった…
その瞬間‼︎
私の頭頂部に指を立て、グニってしている店主を鏡越しに見ていた
「な、何をしてるんだろう…」
店主は何も言わず、何事も無かったようにカットを続けた
一連の作業が終わり、ホウキの小さいやつで肩の周りを掃いてもらっている時に勇気を出してて聞いてみた…
「あ、あの…さっきこうやって(自分の手で自分の頭頂部をグニってやって見せた)あれはなんだったんですか?」
んっ? あ〜頭皮の固さをみたくてね
頭皮の固さ⁈
「ど、どうでした?固さ…」
ん〜まあ、ちょっと固いかなぁ
固いんかい!
店主いわく、頭皮は物理的な力を加えないと柔らかくならないからマッサージしたほうがいいよ!と教えてくれた
髪の毛はサッパリしたが、心はモヤモヤが増した
これは推測だが、店主がグニってやったアレは私の頭頂部の具合を見てのことだろう
しかしなぜグニったのだろう、興味本位か?
そんなにプロの興味を引く頭皮をしていたのか?
いずれにしろ通常ではないのだろう
おそらくだが、まだ取り返しはつくはずだ…
次号 第三章へ続く